朝というものは、
今でも不思議な時間だと思います。
夜が終わっただけなのに、
空の色が少し変わるだけで、
世界がもう一度はじまるような気がします。
では、未来の朝は、
どんな音がするのでしょうか。
今の朝なら、
目覚まし時計の音が鳴り、
外では車が走り、
どこかの家から生活の音が聞こえてきます。
カーテンを開ける音。
お湯を沸かす音。
スマホの通知音。
遠くを走る電車の音。
それらが重なって、
私たちは今日という一日を始めています。
でも未来の朝は、
少し違っているのかもしれません。
目覚まし時計の大きな音ではなく、
部屋の光がゆっくり明るくなって、
眠りから自然に起こしてくれる。
窓の外では、
静かな乗り物が音もなく通りすぎ、
空には小さな配送ドローンが、
鳥のように飛んでいる。
キッチンでは、
自動でコーヒーが淹れられ、
やさしい湯気の音が、
静かな部屋に広がっていく。
ニュースは声で流れるのではなく、
壁や机の上に、
そっと浮かぶ文字になっているかもしれません。
それでも、
未来の朝が完全に無音になるとは思えません。
どれだけ便利になっても、
人が目を覚ます音は残る気がします。
布団から起き上がる音。
水を飲む音。
誰かが小さくあくびをする音。
窓を開けたときに入ってくる風の音。
そういう音は、
未来になっても、
きっと消えないのではないでしょうか。
未来の朝は、
もっと静かで、
もっとやさしくて、
もっと人に合わせてくれる朝かもしれません。
けれど本当に大切なのは、
音の新しさではなく、
その音を聞いたときに、
自分が少し前を向けるかどうかだと思います。
未来の朝に、
どんな機械があっても、
どんな景色が広がっていても、
朝はやっぱり、
人の心をそっと起こす時間であってほしい。
遠い未来のどこかで、
誰かが目を覚まして、
窓の向こうの光を見ながら、
今日も始まるんだなと思う。
そのとき聞こえる音が、
少しだけやさしいものであれば、
未来はそれだけで、
悪くない場所に思えるのです。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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