AIと暮らす時代は、たぶん便利です。
調べものは早くなり、
文章もすぐに整い、
わからないことも気軽に聞けるようになります。
一人で悩んでいたことも、
AIに聞けば少し整理できる。
それはきっと、
悪いことばかりではありません。
でも、便利になるほど、
少しずつ失われていくものもある気がします。
ひとつ目は、
「迷う時間」です。
昔は、わからないことがあると、
本を探したり、
人に聞いたり、
何日も考えたりしていました。
その時間は遠回りで、
効率だけを見れば無駄だったのかもしれません。
でも、その迷っている時間の中で、
自分の考えが育っていたようにも思います。
すぐに答えが出る時代になると、
迷う前に答えを見てしまう。
考える前に、
正解らしいものを受け取ってしまう。
それは便利だけれど、
自分で悩んだ末にたどり着く感覚は、
少しずつ薄くなるのかもしれません。
ふたつ目は、
「人に聞くきっかけ」です。
ちょっとしたことを誰かに聞く。
それだけで会話が始まることがあります。
「これ知ってる?」
「どう思う?」
「前に似たことなかった?」
そんな小さな会話から、
人との距離が少し近くなることもありました。
でもAIに聞けば、
誰にも気を使わずに答えが返ってきます。
それはとても楽です。
怒られないし、
笑われないし、
返事を待つ必要もありません。
ただ、そのぶん、
人に聞く理由が減っていく気もします。
知らないことをきっかけにした会話。
ちょっとした相談から生まれる関係。
そういうものは、
便利さの中で静かに減っていくのかもしれません。
三つ目は、
「不完全なまま残るもの」です。
AIを使えば、
文章も画像も音楽も、
きれいに整えられる時代になります。
誤字も減り、
見た目もよくなり、
完成度の高いものが増えていく。
それはすごいことです。
でも、少し下手な文字や、
言葉に詰まった文章や、
うまく説明できていない気持ちにも、
その人らしさがあったように思います。
きれいに整いすぎると、
その人が迷った跡や、
不器用に考えた跡が見えにくくなる。
完璧ではないけれど、
なぜか心に残るもの。
そういうものは、
AIと暮らす時代の中で、
少しずつ見つけにくくなるかもしれません。
AIはたぶん、
これからもっと生活に入ってきます。
仕事にも、勉強にも、趣味にも、
当たり前のように使われるようになると思います。
それ自体は、止められない流れです。
だからこそ、
AIを使うことだけでなく、
AIを使わない時間も大事にしたいと思います。
少し迷うこと。
人に聞いてみること。
不完全なまま、自分の言葉を残すこと。
便利な時代になるほど、
そういう小さなものを、
意識して守らないといけないのかもしれません。
AIと暮らす未来は、
きっと明るい部分もたくさんあります。
でも、その明るさの中で、
人間らしい影まで消えてしまわないように。
少し不便で、
少し遅くて、
少し不器用な時間も、
これからの時代には必要なのだと思います。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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