ビルの灯り。
道路を流れる車の光。
遠くで点滅する赤いランプ。
今の夜景は、にぎやかで、きれいで、どこか安心します。
あそこにも人がいる。
あの窓の向こうにも生活がある。
そう思えるからです。
でも未来の夜景は、もしかすると今より寂しいものになるのかもしれません。
建物はもっと高くなり、道路はもっと整い、街の光はもっと美しくなる。
自動運転の車が静かに走り、ドローンが空を行き交い、広告は空中に浮かぶようになるかもしれません。
それでも、そこに人の気配が少なければ、夜景は少し冷たく見える気がします。
便利になるほど、人は外に出なくてもよくなります。
買い物も、仕事も、会話も、家の中でできるようになる。
街に出なくても困らない。
誰かと会わなくても時間は過ぎる。
そうなった未来の夜景は、光だけが増えて、人のぬくもりが減っているように見えるかもしれません。
たくさんの窓が光っているのに、そこに誰かが笑っている感じがしない。
道路は明るいのに、歩いている人が少ない。
店は開いているのに、声が聞こえない。
そんな夜景を想像すると、少しだけ胸が静かになります。
もちろん、未来が悪いものだとは思いません。
便利な技術に助けられる人もいる。
遠くにいる人とつながれる人もいる。
ひとりでも暮らしやすくなる人もいる。
それはきっと、大切な進歩です。
ただ、便利さが増えた先で、人が人に会う理由まで薄くなってしまったら、街の光は少し寂しくなる気がします。
夜景の美しさは、光の数だけで決まるものではないのかもしれません。
その下で誰かが帰り道を歩いていること。
小さな店に灯りがついていること。
駅前で誰かを待つ人がいること。
そういう何でもない気配が、夜景をあたたかくしているのだと思います。
未来の街がどれだけ発展しても、人の声や足音まで消えてしまったら、少しもったいないです。
きれいな光だけが並ぶ夜景より、少し不揃いでも、人の生活が見える夜景のほうが安心します。
未来の夜景は、今よりもっと美しくなるかもしれません。
けれどその美しさが、どこか寂しいものにならないように。
人がちゃんと街にいて、誰かと会い、笑い、帰る場所を探している。
そんな気配だけは、未来にも残っていてほしいと思います。
夜の街に灯る光は、ただの電気ではなく、そこに生きている人のしるしでもあるからです。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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